Tuesday, May 29, 2007

ウィークエンドファーム5月

 3月にジャガイモの種植えをしてから放置したままだった菜園に、5月始めから苗を植え、種をまいた。新たな苗や種の発芽したものの他にも、秋蒔きの作物や以前から宿根となっているものが芽を出し、結構にぎやかなのだ。

(写真1)
菜園全体。これで約60坪。丹精込めて作物を作れば4人家族程度の野菜は自給できるそうです。(放置農業のこの畑では2人分程度しか収穫できません。)




(写真2)

ライ麦。4年前から栽培を始めたものです。自家採種を繰り返していたのですが、昨年、保存しておいた種を誤って捨ててしまい、今年の収穫はあきらめていたところ、春先、落穂から発芽した数本を見つけ、それらを一箇所にまとめ何とか育て上げました。
 ライ麦は、食用ではなく観賞用なのです。始めた動機はサリンジャーの「ライ麦畑で捕まえて」を思い出し、実物を作ってみたくなったことから。
 例年は二畝分ほど育てていますが、春の光を浴び、風にそよぐ長身のライ麦は、秋の稲穂のように美しいのです。

(写真3)
明日葉。栄養豊富な万能野菜ということですが、一度も食べたことはありません。病気になったら試してみましょう。もっとも病身では収穫も出来ないと思いますが・・・。




(写真4)
アーティーチョーク。フランス料理の前菜として花弁の下の部分(がく)を食べるそうなのですが、そのようなものは作れないので、これも鑑賞作物なのです。欲しい方には差し上げます。

変な野菜ばかり作っているようですが、まともな作物としては、さといも、さつまいも、かぼちゃ、トマト、きゅうり、なす、ピーマン、とうもろこし・・・・・、一応それなりの畑なのです。

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Thursday, May 17, 2007

エコイベント2

・・・前回からの続き・・・

 お客も大して来ないのに、エコイベントは盛り上がった。

 イベントのアトラクションとして「風流太鼓」「フォークダンス・銀の星」「駒王中学ブラスバンド」「北町子供鳴り物」「明秀高校チアガール部」が出演した。

 一時間おきの登場となるのだが、それぞれを紹介する際、合わせて毎回、イベントの趣旨と模擬店の紹介を行ったのである。

 模擬店は、エコショップ(福祉作業所「ワークスたんぽぽ」)、雨水貯留槽即売所(わが○○課)、エコ喫茶(地域住民)、苗木・花苗即売所(造園協会)、盆栽即売所(盆栽協会)である。

 「エコショップ」では、障害者たちの作った「牛乳パックリサイクル植木鉢」「燻炭」「エコバッグ」を販売。 雨水即売所では、雨水を貯めて散水などに使う「貯留タンク」を販売。(これを使って紙パックやエコカップの洗浄を行った。)
 
「エコ喫茶」では、飲み物を「エコカップ」に移して売るのだが、定価に10円上乗せして売り、容器を戻せば10円返す「デポジット方式」を採用。(これでほとんどの容器を回収し、肥料として公園の土に還した。)

 「苗木・花苗即売所」では、土に還る「エコポット」で苗を販売した。


 
それぞれのテントの売り子が、1時間ごとに各店舗の「エコ」についてマイクで来場者に紹介するのである。そしてそのほとんどが前々日の「NKHデジタル放送」出演者であるから、堂に入った説明である。

 これは成功した。PRが徹底し、「エコ」への関心も手伝って「エコ商品」が結構売れたのである。そして来場者とイベント関係者の一体感も生まれてきたのである。

 極めつけは、アトラクションに出演した子供たちによる花壇での「花苗植え」である。

 高校生ボランティアの一言がヒントとなった。たくさん用意してあった「花苗」を、使い終わった「エコカップ」に入れて、花壇に植えたのである。
 子供たちには、「エコカップ」の素材(とうもろこし)、「エコカップ」を使っている理由、埋めれば土に還ってゴミにならないことを教えてから自由に植えてもらった。
 ブラスバンドの中学生たちは吹奏楽の「吹」、北町子供鳴り物は「北」、チアガール部の高校生たちは、「チア」の花文字を花壇に描いたのである。
 いずれも近所の子供たちである。この公園にくることは多い。そしてそのたびに「花壇の花々」を楽しみ、「環境の大事さ」をわかってもらえればこのイベントは大成功だったといえるのだろう。

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Tuesday, May 15, 2007

エコイベント


 今年も緑化月間(5月)がやってきた。全国各地で、関連事業が行われる。わが日立市でも(はるか昔から)関連事業として「花づくり、庭づくり展」を行っている。

 「花づくり、庭づくり展」は、簡単に言うと、庭木の苗木や花、野菜の苗の即売会である。地元の造園業者と一緒になって「緑化」と称して、業者の販売促進運動を行うのである。

 数年前までは、これが盛況だった。なぜかというと今のようにホームセンターが各地に出来る前であり、「苗」の購入は、専門店(種屋、造園業者)から買わなければならなかった。そして、このイベントで通常価格より値下げするとたくさんの客が集まってきたのである。

 時代が変わり、郊外型大規模店舗で苗が安く買えるようになると、当然「花づくり、庭づくり展」などに人は集まらない。そしてこのイベント自体もその存在意義を問われるようになった。

 人集めのために、数年前からアトラクションを取り入れるようになった。「太鼓演奏」「ブラス演奏」「ダンス」など、地域の生徒や、愛好団体が出演するのである。
 それはそれでお祭りらしくて良いのだが、何か本質から外れてしまってしるのではないかと感じ、いろいろ考えた末、今年は、このイベントをエコ化して「エコイベント」として実施することにした。

 「緑化運動」は、環境活動である。イベントは目的はどうあれ、さまざまな問題を抱えている。その中でも大きなものに「ゴミ」の問題がある。屋外で行われることが多いため、紙コップ、紙皿、空き缶・・・・膨大な「ゴミ」が発生する。
 「緑化」すなわち「環境」のためのイベントなのに「ゴミ」を出してしまう。この矛盾に今年は取り組むことにした。

 具体的には、紙コップの変わりに「とうもろこしから作った(土に還る)エコカップ」、ビニルポットに替えて「土に還るエコポット」、「牛乳パックリサイクルで作った植木鉢」、レジ袋に替えて「エコバック」などである。

 そしてお祭りの副題として「ゴミをださないエコイベント」をかかげたのである。
 幸いにして、関係者の大賛同を得ることができた。造園業者達は、前から「環境」を売りにしている。(販売促進のためには当然である)。共催者である開催公園「サンパーク」の周辺住民達は新もの好きで乗り気である。そして(紙パックリサイクルを行っている)福祉作業所「ワークスたんぽぽ」も急な依頼にもかかわらず、二つ返事で参加してくれることになった。

 それに加え、すばらしいことにNHK水戸放送局の地上デジタル放送「わいわい茨城」にイベント関係者(わが○○課の担当職員、造園業者、福祉作業所代表、地元住民代表)が前々日の夕方、生放送で出演し、イベントのPRを行うことになったのである。

(なんとこれは、「夢プロジェクト」がニュース放映された日と同日のことであり、これらは、さくらまつりの実況中継でさくらパートナーが取り上げられた時の縁で再びNHKから声がかかったのである。)・・・・続く

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Thursday, May 10, 2007

NHKで放映されました










 昨年11月のブログに掲載した「夢プロジェクト」がNHK水戸放送局のニュースで取り上げられました。
(夢プロジェクトについては http://park.geocities.jp/yumepro/ を見てください)

 いきなり昨日、取材の申し込みがあり、今日(5月10日)の撮影、そして夕方の放映とあっという間の出来事でした。

 1週間ほど前にY新聞の取材があり、近々地方版に掲載される予定だったのですが、それを飛び越えてのNHK放映なのです。どうやら「かみね公園」のお客さんたちの間で「花園」が話題になり、それがマスコミに伝わっているようです。

 取材は、プロジェクトの主催者であるNPO団体が受けたのですが、野次馬根性で押しかけると、一月ぶりに見る「花園」は、ボランティアの方々の丹精込めた手入れと春の陽気で、まさに花盛り。そして今日は定例の「手入れの日」と、撮影には最適の条件だったのです。

 このプロジェクトの話が持ち込まれて約1年、主催者のNPOも協力した私達も、想像だにしなかったみごとな出来栄えなのです。

 わが○○課では、「花園夢プロジェクト」以前から数多くの「市民参加型公園づくり」を手がけてきました。その全てに共通して言えることは、始めは数々トラブルがあっても、最後は、想像以上のすばらしい公園が出来上ることでした。

 理由は何なのでしょう。多分それは、市民の「想い」故なのです。別の表現を使えば「生きがい」、大げさに言えば「人生」といっても良いのかもしれません。

 ボランティアの方々の表情にそれが表れているのです。そして言葉の端々に「何か社会に役立つことをしたい」という想いが込められているのです。(もちろん楽しみながらですが・・・)

 リーダー格のIさんと立ち話をしていると、いきなり奥さんの一周忌の話が出てきました。奥さんを亡くしたことなどまったく知らなかったのです。今思えば、つれあいを失った直後からこのプロジェクトに参加されていたのでした。そのことを良く知る別のメンバーの方からは「このプロジェクトが生きがいとなって、つらさを癒されてきたのではないか」と聞かされたのです。

 今年もまた新しいメンバーを募集してこのプロジェクトは続けられます。昨年度は「手はじめ」でしたが、今年は場所を拡大して「本格的な公園のシンボル」を目指しています。そしてさまざまな活動を通じて、「新たな出会い」と「豊かな人生」を見出す方々がたくさん現れることでしょう。

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Sunday, May 06, 2007

ささら獅子舞

5月3日は、泉神社の祭礼の日である。この日、神社では子供たちによる「ささら獅子舞」が演じられた。

「ささら獅子舞」(この地域では簡略化され「ささら」とよばれている)は、「五穀豊穣」、「雨乞」、「防疫」を願い、長年、祭礼の際に神社に奉納されてきている伝統芸能である。
(この芸能は、名称や形式は若干異なるが、静岡県から東北地方に広く見られるものである。)

「ささら」は、村落の芸能として受け継がれており、最近まで踊り手は、氏子の長男(小学生)と決められていた。
(農家の長男ならば家を継ぐので、伝統が継承されるためだという)

しかし、農家が減り(神社を支える氏子も減少し)、子供も少なくなったため、今では、地域の男児なら誰でも踊り手になれるようになった。そして、地元の小学校の課外活動の一環として何とか存続している。また、地元のコミュニティーでも「ささら運営委員会」をつくり、地域ぐるみでこの伝統芸能を守っている。

私も、今年から運営委員になった。(ただ単に当番制で回ってきただけなのだが)

そのようなことで、5月3日は、朝から「ささら」奉納の手伝いに神社に出かけたのだ。

「ささら」は、一人立ち(正月に見られる獅子舞は二人立ちという)三匹獅子舞の形式をとる。(三匹とは、雄獅子2頭、雌獅子1頭のこと)また、「じゃぐま」とよばれる女装した稚児が2~5人伴う。
(左の写真のうち前2人が「じゃぐま」、中の2人が雄獅子、後1人が雌獅子)

鳴り物は、大人の奏する横笛と獅子が踊りながら打つ腰鼓である。
(刻んだ竹をすり合わせて鳴らす楽器を「ささら」といい、この楽器が「ささら獅子舞」の語源であったが、この地方では、この楽器は伝承されていない。)

神主のご祈祷の前後に「ささら」が奉納された。合わせて30分ほどの時間だろうか。重い獅子頭を振り回しての踊りなので、子供たちにはきつい演技だったようだ。

奉納が終わると神社から「ご褒美」をもらい、喜々として帰っていったが、子供たちの様子を見ると「塾通い」の時間や「TVゲーム」など他の楽しみの多い中で、古来の芸能を継承していくのは、並大抵のことではないと感じてしまうのである。

「ささら獅子舞」の詳しいことは、
日立のささらは
http://www.pref.ibaraki.jp/discover/festival/north/04.html
獅子舞全般については、
http://japanfestival.web.fc2.com/kanren/shishi/shishi.html
をご覧ください。

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Saturday, May 05, 2007

ポップアート1960’s→2000’s

ウォーホールからヘリング、ムニーズまで43作家、131点のポップ・アートが見られます。



初めてヴィック・ムニーズの作品(写真下の3点)を見たが、おもわずニヤリ。

チョコレートで描いた「オランピア」
なにも絵の具だけが画材ではない!
マネの「オランピア」は当時の画壇にショックを与えたが、ムニーズも負けてはいないのだ。
              
ダイヤモンドを散らして描いた(?)「マリリン・モンロー」
(これはウォーホールのモンローをアレンジ)
モンローとダイヤモンド、なんとにつかわしいのだ!
         
 (黒の下地にダイヤを散りばめてある。明るいところほどダイヤの密度が高い。)




フュギアー(小玩具)を貼り付けて描いた「自画像」
このフュギアーはすべて日本製のものだそうだ。






ウォーホールやリキテンスタインの作品(6,70年代)もあるが、特に最近のPOP・ARTを見たい方にはお薦めです。

茨城県近代美術館で5月20日まで
この後、広島市現代美術館、八王子市夢美術館を巡回。

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Thursday, May 03, 2007

NFC



東京国立近代美術館には2つの分館がある。
本館(竹橋)の近くにある工芸館(工芸・デザイン部門)と京橋にあるフィルムセンター(映画部門)である。
タイトルのNFCは、この映画部門(National Film Center)の愛称のことである。

連休の谷間の5月1日(火)に休暇をとって近代美術館3館を全て回ってみた。
本館と工芸館は何度も行っているのだが、今回は初めてフィルムセンターまで足を伸ばしてみた。
それというのも、ネットで4月から6月にかけ今井昌平、黒木和雄の作品の上映会が行われているを知ったからだ。
http://www.momat.go.jp/FC/fc.html

フィルムセンターは、内外の秀作映画フィルムの保存・修復と上映を行っている。
そして、この連休を挟んだ3ヶ月間は、昨年亡くなった今井、黒木両巨匠の回顧展が行われている。
今井昌平の作品も好きである(特に「黒い雨」)。しかし、それ以上に黒木監督の作品にはぞっこんなのだ。

黒木和雄は、70年代後半、すでに前衛映画(ATG)の巨匠の一人だった。
商業映画ではなかったが、学生運動華やかし当時の世相もあって、大学生を中心としたファンが多く、私もその一人だった。
とはいえ、黒木の作品は、町の封切館で上映されることはなく、名画座か場末の劇場で見た記憶がある。

今回は黒木の代表作9本が上映されている。そして5月1日は、中でも秀作とされている「竜馬暗殺」「祭りの準備」が見られたのだ。
両作品とも、30年以上も前、学生時代に観て強烈な印象を受けた。

「竜馬暗殺」は、坂本龍馬の殺害が(通説となっている幕府側の暗殺ではなく)倒幕派の内紛による仕業であるとした筋書きで、当時の学生運動の内ゲバをモティーフにしている。そして手撮りのカメラアングルとモノクロ画面が時代背景とあいまって不思議なリアリティーをかもし出している。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD28544/

「祭りの準備」は青春映画である。とはいっても、決して美しくもさわやかでもない。ふるさと(高知県中村市)の猥雑な人間関係を断ち切って上京するまでの青年の葛藤がテーマである。
親との相克、性、貧困、犯罪などの現実問題を漁村集落を舞台にみごとに描いている。
(かつては日本のどこにでもあった社会風景なのだが・・・)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD18438/index.html

主演の江藤潤、助演の竹下景子、原田芳雄などの演技が光っている。
映画の出来は、役者に大きく左右される。俳優は映画の原作、シナリオを踏まえて監督が決めるものだが、黒木の人選には感心させられる。
江藤潤の「うぶ」、竹下景子の「純」、原田芳雄の「ワル」ははまり役である。原作、シナリオ、演出とあいまってこの映画を名作にしたのはこれら配役の妙だろう。

70年代は、前衛映画を撮っていた黒木だが、晩年は、反戦映画をライフワークとしていた。
「美しい夏キリシマ」「tomorrow・明日」そして「父と暮らせば」の反戦3部作である。
後ろ二つは、広島の原爆投下を舞台としていて、その中でも「父と暮らせば」は反戦映画として後世に残る作品だろう。

「父と暮らせば」は、井上ひさしの戯曲を映画化したものだが、「祭りの準備」同様配役がすばらしい。
この映画は、原田芳雄の(原爆で死んで亡霊となって出てくる)父と宮沢リエの(生き残った)娘の(ほとんど)二人だけの会話で構成されている。
一切戦争や戦災の映像を用いず、言葉だけで戦争の悲惨さを見事に表現しているのである。
井上ひさしの原作(シナリオ)と黒木の演出が見事に共鳴・昇華した作品と言えよう。
http://www.pal-ep.com/father/

今回のシリーズでは「父と暮らせば」は上映されていない。
国立近代美術館フィルムセンターは、先に述べたように秀作映画の保存・修復を目的としている。70年代の映画は、保存の対象となるが「父と暮らせば(04年制作)」はまだまだ現役映画だからである。
黒木和雄没後20年(2026年)になれば今回のようにフィルムセンターで上映される日が来るであろう。

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