デザイン委員会
(バーミングハムへの旅97から)
ホテルで朝食を摂る時間もなかった。
朝の7時30分から視察が入っているからである
今日は、市のデザイン委員会(design review committee)の会合へのオブザーバー参加だ。
この委員会は、建物や住宅地開発のデザインを審査する。
建物と周辺とのデザインの調和を専門家の目からチェックするのだ。
この委員会は、何と(!)朝7時30分から8時30分までの間に行われる。
早朝に開催されるのは、各委員の出勤前に行われるからだ。
委員は、建築家、法律家、デザイナー・・・。
皆、バーミングハム市の市民でその分野の専門家だ。
そして、全員がまったくの無報酬で参加しているという。
侃々諤々の議論が戦わされていた。
所管はバ市の都市計画課(city planning devision)だが、市のスタッフは後ろで見守るだけ。
口は出さない。
本物の市民主導の委員会だ。
(アメリカの場合)都市の景観は、地価に反映する。そして、治安やコミュニティーの維持に欠かせない要素だ。それゆえ市民が自らかかわろうとする。
ひるがえって、○○市はどうだろう。○○市都市計画課のなかにも(同じように)都市景観検討委員会なる委員会がある。
目的は、バ市と同じだ。異なるのは、市役所主導だということ。委員には、市の職員も入っているし、多くの市民委員はお飾りだ。
そして、委員会の事前に市民委員には根回しがなされ、(反対意見を言いたくとも)委員会の前に調整がすんでいる。かくして、市の書いたシナリオどおりに(仰々しく)会議は進んでいく。
この実態は、日本全国津津浦浦、どこの自治体でも同じようなものです。
そして、霞が関でも○○委員会 △△審議会、ほとんどが強固に官僚主導で進められています。
国が、学識経験者を叙勲する基準に、この「○○委員会」「△△審議会」の委員を2期以上努めることが条件にあるそうです。
となれば、政府案に反論する委員がいるはずもありません。(小泉内閣時代の道路公団民営化検討委員会は例外でした。)
さてバ市のデザイン委員会に話を戻しましょう。
委員会が終了し、バ市の都市計画課の職員と歓談しました。
課長のトム、商業デザイン担当のキャシー・・・。私も○○市で同じような仕事をしているので親しみを感じます。
このように市民の手で委員会が進められていることに敬意を表すると、帰ってきた言葉は「コモンセンス!!」(つまらないことを聞いてしまったモノダ)
会話のなかで積極的に発言していたのは、キャッシー(女性)。
(あたりまえのことですが)仕事の上で性差はありません。わが○○市を考えると「ウ~~ン」です。
市民が本音で意見を言える委員会。
そして市民の意見が行政運営に反映される行政システム。
(市内在住の)専門家という人的資源を(ボランティアで)活用できる効率性と効果性。
実際にその場にたってみると、良い街づくりのためのプラットホーム(基盤)ができていることに羨ましさを感じました。
日本では、いつになったらこのようなシステムができるのでしょう。
日本では、いつになったらこのようなシステムができるのでしょう。
政権が代われば?(民主党は脱官僚をかかげていますが)そんな単純なものではありません。
文化の問題でしょう。
「自分の意見」を言う難しさ。和をもって尊しとし、自己主張を抑制してしまう日本文化のなかでは、時間がかかるでしょう。
そして、その文化を変えていくには、地方自治のなかから民主主義を育ていかなければならないことは明白なのですが・・・。
Labels: バーミングハムの旅
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