Wednesday, May 28, 2008

詐欺商法じゃなかったの?


「磁化水」(あるいは)「磁気活性水」が健康に良いという謳い文句で高価な浄水器が売られている。
蛇口につけるもので高いものでは30万円以上もするという。


健康を気にする高齢者がこの手の詐欺に引っかかり、大金を払って効果のない機械を買わされ、社会問題になった。


私の母親も10年ほど前に購入し、この磁化水を飲んでいた。
効果があったかどうかはわからない。
母親は4年前に亡くなったが、本人は最後まで信じていたようだ。


ところで、なんとこの磁化水を研究するグループに参加することになってしまった。
大学と地元企業と支援機関で構成する研究グループのテーマのひとつがこの「磁化水」なのです。
支援機関の一員として、研究者と磁化水の機械製造メーカーのお手伝い(橋渡し)をするのだ。


月曜日(26日)に今年度最初の会合が大学であった。


製造メーカーからの報告では
畑に冠水してみたら農作物の生育がよい。
水道管のさびや水垢が減少する。
水が腐らない。・・・・・
さまざまな効果が報告された。研究者への報告だから(商売ではないので)誇張する必要はない。むしろ客観的なデータを示さないと相手にされない。


何のために研究をしているかというと・・・
この手の商品が「詐欺まがい」に売られていたため、消費者に警戒されて売れないのだという。
その対策として磁化水の効果を科学的に証明して欲しいというのだ。


この研究グループには大学や民間企業の研究者が参加している。
会合の後の飲み会の場でみんなの本音を聞くことができた。


合理的精神の持ち主である研究者たちがこの研究会に参加している訳は・・・。
それは、研究会の幾人かが磁化水の効果を自身や家族の体験から信じているからなのだ。


某大企業の研究者のOさんは、末期がんの娘さんの最後の治療(自家療法)として磁化水を飲ませたところ奇跡的に回復したという。
某メーカーのMさんもがんを患いながらも磁化水のおかげで通常の生活をしているという。
(本当に血色の良い顔色をしている)
そんな動機で集まったメンバーなのだ。


もっとも磁化水の効果は、研究者の間で賛否が分かれ、評価は定まっていない。
いわんやそのメカニズムは、長年の研究にもかかわらず解明されてはいないのだ。


そんな状況を考えると果たして、産学官の関係者が知恵を出したところで成果はあがるのだろうか。・・・・・
(研究会の目的からは逸脱するが)
意義があるとすれば、効果を信じている関係者が集まって交流を始めたことだろう。
研究者はさまざまな分野にわたる。
水処理、分析屋、電気、機械・・・
ひとつのテーマの下で議論することで(専門外の意見に触発されて)新たな発見があるに違いない。


議論を聞いているだけでわくわくするのだ。

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