椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!
椅子のない会議のことはよく知られている。
案件と関係のない話がだらだらと続き、気がついたら2時間を越している。
(役所の会議はほとんどがこんな会議だ)
椅子がなければ早々に結論を出す。そしてその勢いで実行に移る。
タイトルの本は、上司に薦められて読んでみた。著者はキャノン電子(キャノンの子会社)の逆巻久氏わずか5年で経常利益を10倍に伸ばした経営者である。
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現在の職場は、半数以上が民間企業(製造業)の出身である。
事務方に役所の出向組がいる(私もその一人)
図書を紹介してくれた上司は、某大手メーカ出身の元エンジニアである。
行政と企業では職場文化が違うので、当然読んでいる本も異なる。
この手の経営や技術に関する実学的な図書はあまり縁がなかった。
(期待していなかったのだが)1時間で読み終えてしまった。
引き込まれる面白さがある。
(もちろんゴーストライターがいるのだろうが)
実体験からでた言葉の連続だから説得力がある。
「パソコンをなくせば・・・・。」では勤務時間中にパソコンで遊んでいる社員がいかに多いか。(実態を調べて著者自身驚いたそうだ)
そして、同じフローアーの中でのメールのやり取り禁止した。(直接話したほうが確実で早い)
パソコンで効率が上がるはずが、かえって無駄を増やしている。
そのほかにも
「部下が駄目なのは、上司が駄目だから」
「トップの言うことに対し、自主的に考えて動ける部下を育ててない会社はつぶれる」
「対人関係が駄目ということは、イコール『全部駄目』ということ」・・・・・
次々と厳しいことばが続く。
これだけ聞くと、厳しさ一点張りの経営者のようだが、その底流にあるものは「人間中心」の経営である。
全員参加型の経営、現場に権限を下ろす自立分散型の組織、公平な人事・・・・
やはりそこには、かつての日本型経営の良き点が見出せる。
最後に印象に残った言葉をひとつ。
「能力の劣るものは降格、配置転換もやむなし。ただし本人の満足を得られる職場に移さなければならない。」
ラインの中でひときり作業の遅いパートタイムの中年女性を決して解雇せず社長室まわりの清掃係りに仕事を変えたら本人は張り切って仕事をするようになった。
決してこんなエピソードばかりではないだろうが、一読の価値はある本
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