ただ立ち尽くすのみ
人間の感覚には、懐かしさのあまりぼう然とすることがある。
映画やドラマで、過去にタイムスリップした主人公が、その瞬間、茫然自失になるシーンがそれだ。
ちょうどそんな感覚だった・・・・・・。
http://www.fuchu-cpf.or.jp/museum/sisetsu/fukugen.html
この建物は、
元の小学校だから、教育資料の展示室にはうってつけである。
教室に入った瞬間、立ち尽くしてしまった。
改めて良く見てみると、机も椅子も、全ての部材がむく材(樫?)で手作りなのである。今の様な合板ではないのだ。
前の児童がつけただろう落書きや傷が、次の子供たちに引き継がれていく。
だるまストーブも置いてある。コークスを燃やしていた。教壇も教卓も昔のままだ(当然だ)。
誰もいない教室なのに、目を閉じれば、黒板の前には、懐かしい恩師が立ち、机に向かう幼馴染たちが当時の姿でよみがえる。
教室は単に器に過ぎないのかも知れない。しかし、本物の材料で作った机や椅子、自分たちでコークスを運び、暖をとったストーブが教えてくれたものは、かけがえのない思い出となっている。
そして、つい考えてしまう。物にあふれた時代、今の子供たちが40年後、学んだ教室と再会した時、果たして同じ感慨をもてるだろうか。
Labels: その他