Thursday, June 29, 2006

オープンガーデニング


オープンガーデニングとは、それぞれ自宅の庭で行っているガーデニングを、個人またはグループで一般に開放する仕組みのこと。イギリスやオランダなどガーデニングの本場、ヨーロッパでは広く行われている。

7月中旬から始めるかみね公園でのガーデニングボランティア講座の下調べにいわき市のフラワーパークに行った。期待はずれであり、反面教師として失敗事例を見てきた。その帰り、今回のプロジェクトの主催者であるNPO法人「with you」のメンバーからいわき市湯本町にオープンガーデニングで有名な喫茶店があるから寄って見ようと提案されたので、帰りの道すがら寄ってみることにした。店の名前は「花遊庭」。畑に接した住宅地の一角にある、個人住宅の1階を改装した軽食喫茶である。喫茶といっても中国茶からイングリッシュティーまで飲める本格的なティーハウスである。http://www.kayutei.com/index2.html

中に入って驚いた。中庭には本格的なイングリッシュガーデンがある。何度かイギリスに行っているので、そのすごさは一目でわかった。
早速、スコーンと紅茶を注文する。庭とお茶を堪能していると店主の加原世子さんがあらわれ、庭を案内してくれた。話は、庭づくりからご自身のことに移られ、地元の庭仲間たちとオープンガーデニングを主催していること。公共空間でガーデニングを始めたときの苦労話。そしてボランティアでガーデニングを続ける仕組みの難しさ・・・。今回のプロジェクトを始めるにあたり、実に参考になる話をたくさん伺えた。やはり実践者の言葉の重みは違う。

それにしても何と美しい庭だろう。気候風土の違う日本でヨーロッパと同じガーデンをつくるには大変な労力と根気が必要だ。朝は3時起きして庭の草取りをしているという。そして昼間は店の経営とNHK趣味講座の講師、オープンガーデニングのまとめ役と超多忙の生活とのこと。しかし忙しさに流されず、将来を考え、加齢で体力が落ちても庭を維持できるよう花や樹木をデザインしているという。「優雅なつつましさ」とでも言うのだろうか。見習いたいものだ。

Labels:

白バラ


6月24日、茨城○○○○教大学で開催された「白バラ」講演会を聞きに行く。
「白バラ」とは、(実は直前まで何も知らなかったのだが)ナチス政権下、表現の自由を求めて学生たちが起こしたヒットラーに対する抵抗運動の運動名のこと。関係者(ほとんどが大学生)がビラを配っただけで処刑された。歴史的にはこれまで大きな評価をされてこなかったが、最近この事実を題材にした映画「白バラの祈り」が公開されたことにより、世界各国で関心が高まっている。http://www.shirobaranoinori.com/

今回の講演会は、同時に大学構内で開催されている「白バラ」パネル展の一環として開催された。講師は早稲田大学教授村上公子氏。ドイツ文化の研究者でその中でもナチス政権下の抵抗運動を研究テーマとしている。「白バラ」パネル展は全国を巡回しており、このパネル展の発起人兼主催者が彼女である。茨城○○スト教大学のM教授がパネル展を招致し、その関係でこの日の講演会になった。

講演会の参加者は100人程度であろうか。学生が多く、一般人は20名程度。テーマが政治と人権であるためか、決して多くの聴衆ではなかったが、会場はほぼ満席であり、熱心に聞き入っていた。

村上教授の講演は、研究者らしく客観的に史実分析を行っていた。映画がことさら抵抗運動の不屈の信念を取り上げているのに対し、講演では、なぜ彼らが(特別に)見せしめとして処刑されたのか、その点を丁寧に説明していた。

ナチスとは、若者の政権であるという。ヒットラーを考えると意外な気もするが、政権を大衆レベルで支えていたのが「ヒットラーユーゲント」であり、青年の無垢な純粋さゆえ、あのような狂信的な国民の支持になったのである。「白バラ」運動は、国内有数の大学(ミュンヘン大学)の将来を嘱望された知的な若者の行動だったことが、政権にあたえたショックは大きかった。だから見せしめとして逮捕後4日目で裁判結審、即日処刑という暴挙に出たのである。

映画は、犠牲者の遺族が残した著作を元に作られているが、脚色され、事実とは異なる点も多いのだろう。しかし、言論の自由がなく、人権がないがしろにされていた時代に、命を堵して抵抗運動を行ったことは歴史的事実である。基本的人権が保障され何不自由なく暮らすことが出来る現代に(実はそれら権利が徐々に侵害されているのだが・・・)、自由とは何か、それをを勝ち取るために流した血の歴史を考える良い機会となった。

Labels:

Monday, June 19, 2006

泉が森と市民オペラ


6月17,18日はイトヨの里泉が森公園のほたる祭り。
今年で4年目になる。
市民参加で公園づくりを行った思い出の場所である。
地域の人たちによる自主管理が進み、いつ行ってもよく手入れされている気持ちの良い場所である。

湧水のせせらぎには昔からカワニナが生息し、かつては蛍が乱舞していた。
都市化が進みいつしかその姿も見られなくなったが、地域の努力で蛍も復活し、今では市の名所となっている。

今年のほたる祭りのアトラクションは日立市民オペラの会による、オペラ(のアリア)を聴く会。
地元出身のオペラ歌手2人とバイオリン奏者によるミニコンサートである。

天気が心配されたが17日当日は梅雨の晴れ間となり一安心。
夕方6時30分から野外コンサートが始まる。
泉が森を舞台にした創作オペラ「水の声」のアリアから始まりモーツアルト「フィガロの結婚」・・・
夕闇迫る幻想的な雰囲気の中、約1時間、集まった聴衆は存分に堪能した。

うっそうとした神社の森を背景に、湧水とせせらぎの流れる公園の石舞台は格好のオペラ会場となった。
思えば7年前、新しい公共事業のあり方を目指して、ワークショップで公園の計画作りを始めたとき、メンバーから「いつの日かオペラが上演できれば」という意見が出された。その日のために石張りの舞台を作ったのである。

今は行政の手を離れ、地域住民の自主活動でオペラ(の小曲)を上演するまでに成長した。
奈良時代に編纂された「常陸の国風土記」に「村人集まりて大いに楽しみ・・・」と記録された泉が森である。この公園は地域の歴史に新しい1ページを残した。

Labels:

真岡鉄道


6月11日、真岡鉄道のSLを見に行く。
6月25日に五能線活性化倶楽部、日立ハチロク応援団と一緒にSL移設の壮行会を行うにあたり「テッチャン(鉄道マニア)」の気持ちを少しでも知るために見に行くのである。

真岡鉄道のSLは下館駅と茂木駅の間を土日、祭日に一日一往復している。
ネットで検索すると茂木駅に到着するのは12時過ぎ、そして出発は午後2時半過ぎ。
我が家から茂木までは1時間20分で行く。
思い立ったのが当日朝、10時出発、11時半には茂木に着いた。道の駅脇の駐車場が撮影ポイント、既に何人ものマニアが陣取っている。

12時少し前にSLが走ってくる。煙と汽笛そして独特の匂い・・・確かに懐かしい。目の前を通り過ぎるときの動輪の動きは迫力があった。少しはマニアの気持ちがわかる。

汽車が通り過ぎた後、終着駅の茂木駅へ向かう。ここでは機関車の入れ替え作業をみる。SLの乗客も盛んに写真を撮っていた。乗客は出発までの2時間を茂木の町で過ごすことになる。歴史のある街である。城跡や神社など見所はある。観光客誘致にSLは役立っているようだ。

復路のSLを益子の近くで撮ることにして、それまでの時間は焼き物を見ることにする。
益子焼共販センターや大手の窯元の売店をみて回る。
その中には、著名な陶芸家の作品を展示している店も多く、鑑賞しているだけでも楽しい。
浜田庄司、加茂田章二・・・。十分堪能し、無名の作家の小皿を一枚購入した。

帰りのSLは益子の隣の駅で撮影。駅から発車するときの蒸気の噴出しは見事だった。
鉄道マニアには段階があって、「乗りテツ」「撮りテツ」「収集テツ」「模型テツ」と進むのだそうだ。
今回は「撮りテツ」をやってみたが、続けるほどの興味はなく、せいぜい、「乗りテツ」どまりのテツ分のようだ。

Labels: