白バラ
6月24日、茨城○○○○教大学で開催された「白バラ」講演会を聞きに行く。
「白バラ」とは、(実は直前まで何も知らなかったのだが)ナチス政権下、表現の自由を求めて学生たちが起こしたヒットラーに対する抵抗運動の運動名のこと。関係者(ほとんどが大学生)がビラを配っただけで処刑された。歴史的にはこれまで大きな評価をされてこなかったが、最近この事実を題材にした映画「白バラの祈り」が公開されたことにより、世界各国で関心が高まっている。http://www.shirobaranoinori.com/
今回の講演会は、同時に大学構内で開催されている「白バラ」パネル展の一環として開催された。講師は早稲田大学教授村上公子氏。ドイツ文化の研究者でその中でもナチス政権下の抵抗運動を研究テーマとしている。「白バラ」パネル展は全国を巡回しており、このパネル展の発起人兼主催者が彼女である。茨城○○スト教大学のM教授がパネル展を招致し、その関係でこの日の講演会になった。
講演会の参加者は100人程度であろうか。学生が多く、一般人は20名程度。テーマが政治と人権であるためか、決して多くの聴衆ではなかったが、会場はほぼ満席であり、熱心に聞き入っていた。
村上教授の講演は、研究者らしく客観的に史実分析を行っていた。映画がことさら抵抗運動の不屈の信念を取り上げているのに対し、講演では、なぜ彼らが(特別に)見せしめとして処刑されたのか、その点を丁寧に説明していた。
ナチスとは、若者の政権であるという。ヒットラーを考えると意外な気もするが、政権を大衆レベルで支えていたのが「ヒットラーユーゲント」であり、青年の無垢な純粋さゆえ、あのような狂信的な国民の支持になったのである。「白バラ」運動は、国内有数の大学(ミュンヘン大学)の将来を嘱望された知的な若者の行動だったことが、政権にあたえたショックは大きかった。だから見せしめとして逮捕後4日目で裁判結審、即日処刑という暴挙に出たのである。
映画は、犠牲者の遺族が残した著作を元に作られているが、脚色され、事実とは異なる点も多いのだろう。しかし、言論の自由がなく、人権がないがしろにされていた時代に、命を堵して抵抗運動を行ったことは歴史的事実である。基本的人権が保障され何不自由なく暮らすことが出来る現代に(実はそれら権利が徐々に侵害されているのだが・・・)、自由とは何か、それをを勝ち取るために流した血の歴史を考える良い機会となった。
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