桜守養成講座
「桜守」という水上勉の小説がある。日本古来のサクラの保護育成に生涯を捧げた笹部新一郎氏をモデルにしており、この小説によって「桜守」という呼び名が広まった。
幾つかの名所では「桜守」によって桜が大事に育てられている。そして「桜守」をマイスターの尊称としてその名誉を称えている。
日立市でも「桜守」制度を始められないかという提案が市民から出されている。提案者は前の商工会議所会頭の宮崎哲夫さんである。水上勉の小説を読まれ「桜守」のもつ情熱と品位を日立市につくりたいというお考えであった。
個人的なお付き合いがあることもあって、前々から実現したいと考えていたプロジェクトであった。
今の職場に異動した昨年度、公園担当の部下に提案したところ、既にそれに近いプランを考えていて直に企画書を作ってきた。
部下のプランは底辺の充実拡大である。市内には「桜守」に相当する桜達人が二人いて、かみね公園の桜の手入れを手伝っていただいている。このお二人を「桜守」に認定すればこの制度を始められるが、後に続く人材を育てなければ持続できないシステムで終わってしまう。まずは、素人に桜管理のノウハウを身につけてもらうことから始めるべきという意見であった。まったくそのとおりである。
予算の問題もあったのでこのプランは、今年度から始めることとした。そしてプロジェクト名称は「桜守育成講座」。しかし課題は多い。最初の問題は参加者を集められるかということであった。幸いなことにさくらの名所「かみね公園」のある仲町学区コミュニティーの会長古川さんがすぐに賛同してくれて、プロジェクト参加者を7名集めてくれた。技能習得の講座であるから少人数が良い。早速始めることととなった。
5月からスタートし、7月6日が3回目になる。今回のテーマは、桜の病気について。講師の樹木医中山さんが用意した資料と公園内の桜の実物を比べながら、病気の様子を観察した。桜の病気といえばテングス病が思い浮かべるが、他にもたくさんある。かみね公園のさくらは(あまり手入れをしなかったこともあり)幹や枝の腐りが多く見うけられた。何気なく眺めていただけでは気づかなかったが、専門家に教わり桜の実態が見えてきた。対策を急がなくては・・・。
今回は、講義のほか、桜の周辺の草刈を行い、「桜守」が管理している木であることを示すプレートを受講者それぞれが選んださくらに掛けた。「マイさくら」である。一気にみんなの目が輝いた。
Labels: まちづくり
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