思い出のフットパス
健康管理のために半年前からウォーキングにいそしんでいます。
幸い、山も海岸も自宅から歩いていける距離にあり、60~90分で還って来れるコースを楽しんでいるのです。
さて、そこでウォーキングに関し、10年以上前にイギリスで体験したフットパスウォーキングをご紹介しましょう。
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イギリスでは1932年に「歩く権利法(the right of way)」が制定された。
これは、公道でなくとも以前から歩かれていた私道に、他人の「歩く権利」を認めたものである。
「歩く権利法」で認められた道がパブリックフットパス(public foot path)である。
(正確には他に二つの道があるがここでは省略)
http://landsend.travel-way.net/bluebell/footpath/index.html
フットパスとは、文字通り歩き踏み固められた道だから、舗装されていない小道である。その多くが牧草地の中にあり、地主の了解を得て「パブリックフットパス」に認定されている。
イギリス人には、歩くのが趣味という人が多い。
カントリーサイドに行くといたるところに「パブリックフットパス」がある。もともと自然発生的に出来た道だから特に整備されたものではない。
パブリックフットパスであることの標識と道に迷わないように所々に目印があるだけである。
そして、旅人にもわかる様に、町(村)の店(雑貨屋や郵便局)にはマップが備えられている。
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私達が体験したところは、コッツウォルズ地方のカッスルクーム村でした。
http://www.ah-london.com/trip/cots/castle.html
コッツウォルズ地方はかつて羊毛の産地として栄えたところです。
ロンドンから電車で西に約1,5時間、最寄の駅チッペナムからタクシーで20分くらいだったでしょう。
カッスルクームは、「イギリスで最も美しい村」に何度も表彰された中世の面影を残した村です。
小さな村だから30分もあれば観光の見所は見終わってしまいました。
雑貨屋で記念品を探していると、ウォーキングマップを見つけたのです。そして急ぐ旅でもなかったのでマップを参考にフットパスを歩くことにしたのです。
コースは4,5通りあったでしょうか。その中で1時間ほどで回ってこれるコースを選び、出発。
マナーハウス(貴族の館)の近くから始まり、牧草地(私有地)を通り、いつの間にか道は、ゴルフ場へ。そのあと牧場主の居宅の脇を抜け、一般道へ。そして中世の田舎そのままの家並みの小道をたどり出発点の村の中心地に帰還。
背景には (英文学に見られる)自然を愛する国民性があるのでしょう。
フットパスが全国に張り巡らされ、休日に多くの人々が自然を楽しんでいる環境はうらやましい限りでした。
つらつら思うに、高齢者が増え、医療費の増加が問題になっている日本だからこそ、健康増進のためフットパス整備に力を入れたらどうかと思うのです。
車を走らせる道路は、膨大な建設費がかかりますが、フットパスは手づくりで安価に作れるのです。
必要なことは、「歩く権利法」のような法整備と地域で運動の担い手を育成することだけなのです。
ガソリン税の暫定税率の存続、廃止が政治問題になっていますが、フットパス整備のような使い方が出来るなら国民は存続に賛成するのではないでしょうか。
Labels: イギリスの旅
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