Tuesday, January 08, 2008

光の教会











安藤忠雄の傑作のひとつである。

正式には茨木春日丘教会という。
3年前に行った時のことを思い出してみる。
大阪吹田の万博記念公園から徒歩で20分ほどの場所だったろうか。
閑静な住宅地の中の教会である。

安藤建築の特色であるコンクリート打ち放しの建物で、壁に十字架のスリットが入っている。

普通の教会であれば祭壇があり十字架が掲げられている。
この教会には何の装飾も無い。あるのは外部から差し込む十字の光だけである。
安藤は、キリスト教の原点に立ち返り、簡素でピュアな教会を作った。

プロテスタントの宗派であることや建設資金が乏しかったことも理由のひとつであるが、安藤は、困難さを逆手にとって教会建築のエポックを作った。

当初の設計では、十字のスリットから風や雨が吹き込む計画だったという。
さすがに施主の希望でスリットにはガラスがはめ込まれたそうだが、教会建築の精神性を突き詰めた安藤らしいエピソードである。

礼拝日である日曜の午前中と(確か)水曜日を除いて見学が出来る。
私の行ったときにもニューヨークで建築を勉強中の学生が見学していた。

隣接する日曜学校も安藤の設計だが、机や椅子の無垢木の暖かな色合いが光の教会とは別の趣をかもし出している。こちらもお勧めである。

なお、(安藤だけでなく)建設に係った施主や工務店にも取材した「光の教会ー安藤忠雄の現場(平松剛著)」は建物見学には必見である。こちらもお勧めします。

建築家だけがすばらしいのではないのです。建築家と(互角に)四つに組んだ施主や工務店もエライのです。

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