Sunday, December 16, 2007

ひ○ち学への招待



12月15日、「ひ○ち学への招待」と称するシンポジウムが茨城○○スト教大学で行われた。
http://www.ibaraki-np.co.jp/shicyoson/03.htm


同大学文学部のM教授の発案である。
M先生の専門は民俗学。生活者の目線から社会を分析している。

先生とは、4年前に市の中期総合計画を作る際、委員をお願いした時からの知り合いである。
その時、「ひ○ち学」の構想を聞かされた。


「ひ○ち学」とは、地元学のことである。
日○市は、日○鉱山とこれを母体に発祥した日○製作所の発展で都市が作られた。
この都市の発展過程のなかに、鉱工業の発達による日本の近代化の様々な要素が見出せるのである。


鉱山の煙害とこの解決過程でみられる企業の社会的責任のとり方。
企業の福利厚生から始まった医療や住宅などの公共サービス。
そして、社員のクラブ活動が原点の文化行政。
・・・・・・


このようにこの街の歴史は、多数の研究者により、様々な調査がおこなわれ、そして発表されてきた。
そしてこれら個々の研究を体系的に整理し、学問として発展させようというのが「ひ○ち学」なのである。


「地元学」の発祥地は、熊本県水俣市である。
昭和40年代、代水俣病が社会問題となった時、全国から研究者が水俣にやってきた。
医療関係者だけではない。社会学や政治学の研究者も参加し、なぜこの地でかくも悲惨な病気が発生したのか、多方面から調査研究がおこなわれた。

そして、研究者たちが去ったあと、住民たちは、自分たちの街の成り立ちを(本当に)知らなければ、街の再生はないと気付き、そこから始まったのが「地元学」である。
「ひ○ち学」もその狙いは、水俣市同様、街の再生である。
全国の地方都市が疲弊している。
経済のグローバリズムが最たる理由であるが、その他には明治以降の中央集権体制が原因にあげられる。

地方に権限を与えなかったことで、戦後60年を過ぎても住民の自治意識は育っていない。
自治意識がなければ「自立心」は生まれない。


地元学は、街のもろもろを学ぶことで自治意識を目覚めさせることを目的にしている。
同大学では21年度から正式に「ひ○ち学」を講座としてスタートさせるという。

このシンポジウムは、プロローグである。
これからが本番なのだ。

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