法令遵守が日本を滅ぼす
常識に反旗を翻す、挑発的なタイトルである。
しかも、桐蔭横浜大学法科大学院教授である著者は東京地検特捜部の検事出身で、現在は同大コンプライアンス研究センター長。いわば「法の番人」とでもいうべき立場の人である。
それが「法令遵守(じゅんしゅ)=コンプライアンス」が組織をダメにしているというのだから、いったい、どういうつもりなのか、と思いながら読んだら、とても説得力があった。
例えば談合。これが、よくないことはいうまでもない。しかし、談合をやめさえすれば、日本はよくなるのか。
確かに、適正な競争によって調達価格は下がって税金の無駄遣いは減るだろう。しかし、安かろう悪かろうとなる懸念は増え、コスト削減で、労働者の権利が損なわれるおそれもある。
「談合廃止」という単純な法令遵守が、結果として「良質かつ安全で、安価な」調達に危機をもたらす理由は、ここにあるとされる。法を守るとは何か。その根本から日本の“コンプライアンス病”を考える問題提起の書だ。(新潮新書、680円)
(読売新聞書評から)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そうだ、その通りだ!
と思えることがたくさんある。
耐震偽装が問題になって
(建築確認の徹底で、時間がかかるようになったら)
住宅建築着工戸数が減って、景気の足が引っ張られ・・・
道路交通法改正で駐車違反取締りが厳しくなると
(街の商店街に買い物の人がこなくなり)
中心市街地は寂れる一方で・・・
医療事故でマスコミが医者を叩くと
(訴訟の多い産婦人科から医者がいなくなり)
子供が生めなくなって、ますます少子化は進み・・・
食品の賞味期限偽装が問題になると
(まだまだ食べられる食品が、簡単に捨てられて)
ますます食料自給率が下がってしまう。
なにごとにも「あそび」が必要です。コンプライアンスもほどほどに。
Labels: book
0 Comments:
Post a Comment
<< Home