さくらパートナー
平和通の桜は昭和26年に植えられた。樹齢にすると60~70年である。ソメイヨシノの寿命はほぼ人間と同じなので、相当数の桜が弱ってきている。そこで去年から計画的な植替えを始めた。
去年は間に合わなかったが、今年から工夫を凝らすことにした。(夕張市ほどではないが)わが市も財政難である。すこしでも財源が欲しい。一方で町のためなら私財を提供してくれる市民や企業は多い。問題はマッチングの方法である。
日立市の桜は、鉱山の煙害対策として日本鉱業(現日鉱金属)が山に植えた大島桜が原点である。その後、社宅に桜(ソメイヨシノ)が植えられ、その延長に市民の献木で始まった「かみね公園のさくら」や「平和通の桜並木」がある。そしてこれら桜の名所は「日本の桜100選」に選ばれている。
このように、日立市の桜は、市民、企業と行政の協力で大きく育ってきた。そして市民の中にこだわりを持って桜の街づくりを進めているグループもある。
「さくらパートナー事業」はこのような「資金不足の行政」と「桜にこだわった市民、企業」の協働事業である。
寄付や献木はすぐに考えつく。今回のアイディアは、桜の植樹と一緒に「22世紀に伝えたい桜のメッセージプレート」を組み合わせたことだ。20万円寄付すると、桜の幼木(15年もの)とメッセージを記した石碑を残せる。そして寄付者の名前も(小さくだが)記する。「桜への想い」と「名誉」をてこに資金を調達するのである。
今回は、市民団体か企業に限って募集したところ、早々に予定5本分のパートナーがあらわれた。
今日(4日)は、午前8時30分から「さくらパートナー」の認定書授与式、9時から植樹作業である。
好天に恵まれ、パートナーだけでなく「さくらのまちづくり市民会議」の面々も駆けつけてくれた。事前にプレスに投げ込みを行っておいたので、新聞各社、NHK、地元ケーブルテレビ局も取材にきた。
この事業は弱ったさくらの植替えが済む3,4年間は続ける予定である。もっとも数年経てば残りの桜も寿命を迎える。そして、いずれ平和通の桜115本全てが「さくらパートナー」の手で更新されることになる。そうなれば、名実共に市民の手で残す「22世紀の桜並木」になっていくだろう。
写真 上から 満開の平和通桜並木(昨年4月)、パートナー認定書授与、植替えの様子、植替え終了、メッセージプレート
Labels: まちづくり
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