Thursday, November 16, 2006

検証 ○○責任


「検証戦争責任(中央公論)」を読む。
この本は、中国、韓国から噴出した「歴史認識批判」を背景に、読売新聞が05年8月から06年3月まで連載した特集記事を取りまとめ出版したものである。
本書は
1.なぜ満州事変は日中戦争へと拡大していったのか
2.勝算が無いままアメリカとの戦争に踏み切ったのはなぜか
3.玉砕・特攻を生み出したものは何だったのか
4.アメリカによる原爆投下は避けられなかったのか
5・東京裁判で残された問題は何か
の課題認識を基本に戦争責任の所在を「統帥権」「資源」「テロ」など様々な視点から分析している。

1~5の悲劇の主因・誘因には、「軍部暴走を許した政党政治の未熟」「理論的・実証的分析力の欠乏」「精神至上主義」「決断力・統率力の欠落」「自己改革力の欠如」が述べられており、これらに共通する背景に日本特有の『責任の所在が見えなくなる「無責任システム」』があると指摘している。

歴史は繰り返すというが、悲劇の根底にある日本社会(日本人)の本質は、60年経っても変わっていないと改めて感じるのです。

戦時を現在に置き換えれば、さしずめ
1.なぜ角栄的土建屋行政はここまで拡大していったのか。
2.勝算が無いまま赤字国債を発行し続けて行ったのはなぜか。
3.医療・教育の民営化(企業化)を生み出したものは何だったのか。
4.アメリカ金融資本による地域商業共同体破壊は避けられなかったのか。
5.改憲で残された問題は何か。
というところでしょうか(近い将来の悲劇を含めてます)。

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