Sunday, October 08, 2006

発達低気圧と異常潮位


10月6,7日と台風が一体化した発達低気圧の影響で海難事故が関東から東北にかけて発生した。・・・・

○○市の南部にある久慈町の中心部は、海抜1m前後の低地である。そこに流れ込む瀬上川は、小さな都市河川であるが、太平洋に直接流れ込むため、潮位の影響をまともに受ける。

この川は、かつて台風通過時、ひんぱんに氾濫を繰り返してきた。降雨に高潮、高波が加わり、水かさが増し、河川周辺の住宅地に水が流れ込むのである。県の管理する河川であるが市も放水路建設や調整池整備など水害に対しこれまで様々な対策を講じてきた。



その甲斐もあってここ数年は水害らしい水害は発生していなかった。地域住民も安心し、これでこの地区の水害対策もひと段落と誰もがが思っていた。

ところが、6日、7日と悪夢が甦ってしまったのである。発達低気圧が関東沖を通過する際、強風と高潮が発生した。さらに悪いことに6日は中秋の名月(満月)、海水面が最も高くなる大潮と重なってしまった。

高潮警報が出された時、瀬上川が頭をよぎったが、最近の実績からして、たいした氾濫はないだろうと読んでいた。というのは、今回は雨量が少なく、雨による河川水面上昇はわずかである。高潮が重なっても、計算上は氾濫しないと予測されていた。

ところが6日の日中の満潮時(PM2ごろ)に氾濫が発生した。しかし周辺家屋に流れ込むほどの量ではなかったので土のうを配備し、応急手当を行っておいた。翌日明け方(AM3時)が次の大潮である。これも前日の応急手当で大丈夫だろうと気楽に考え、6日は夜12時に帰宅した。(深夜になったのは、強風による街路樹の倒木が発生しその対応に追われていたからである。)


午前1時に就寝したが、3時に災害担当課から電話で起こされてしまった。住民からの通報があって、瀬上川が大変なことになっているというのである。それでもまだ大したことは無かろうと思っていた。というのは住民の中には少しのことでも、そして夜中であっても役所に通報するものがいる。行ってみると何でも無いことが多く、今回もその類だと考えていた。

寝ぼけまなこで現場に行ってみると驚いたことに河の周辺の道路一面が水没している。(写真上)そして(あとでわかったことだが)床上浸水家屋6軒、床下浸水家屋が25軒発生していた。(写真中、下)

関係者が次々と集まってきた。話を総合すると、異常潮位が原因らしい。住民に聞いても、雨も少ないのにこれだけ水が出るのは珍しいという。
(以下続く)

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